FCは加盟店が増えるほど、既存加盟店も強くなるのか?―「規模の経済」で見るFC選び
「加盟店〇〇店舗突破」
FCの広告では、よく見かける表現です。
加盟店が増えていることは、そのFCが成長している一つの証拠でしょう。
ただ、加盟を検討する側としては、もう一つ考えてみたいことがあります。
加盟店が増えたことで、既存加盟店には何が増えたのか。
私は、こちらも非常に重要だと思っています。
100店舗が200店舗になった。
本部の売上は増えた。
ブランドの知名度も上がった。
では、既存加盟店の経営は以前より強くなったのでしょうか。
今回はFCを「加盟店数」ではなく、規模の経済が加盟店へ還元されているかという視点から考えてみます。
そもそも「規模の経済」とは何か
難しく考える必要はありません。
事業の規模が大きくなることで、一社・一店舗では実現できなかった効率や価値が生まれることです。
FCなら加盟店が増えることで、本部にはさまざまな経営資源が集まります。
加盟金や月額費用などの収入。
全国から集まる現場情報。
取引量。
顧客データ。
ブランド認知。
加盟店同士のネットワーク。
本来、規模が大きくなるほど、こうした資源も大きくなっていきます。
重要なのは、その先です。
集まった経営資源が、何に変換されているのか。
本部が大きくなることと、加盟店が強くなることは同じではない
例えば加盟店が50店舗から200店舗になったとします。
当然、本部に入る収入も増えるでしょう。
しかし、
加盟店増加 → 本部収入増加
だけで終わってしまえば、規模拡大の恩恵を主に受けているのは本部です。
FC全体として考えるなら、その先がほしい。
加盟店増加 → 本部の経営資源増加 → 再投資 → 本部機能の向上 → 加盟店への還元 → 加盟店の競争力向上
この循環です。
例えば、本部のシステムが進化する。
専門人材が増える。
研修が充実する。
広告効率が上がる。
取引条件が良くなる。
データ分析の精度が上がる。
新しい販路が開拓される。
こうした形で規模のメリットが既存加盟店へ戻ってくるのであれば、加盟店が増えることは既存加盟店にとってもメリットになります。
車買取FCなら「出口」にも規模の経済が表れる
車買取FCなら、この違いはかなり分かりやすいと思います。
加盟店が増えれば、グループ全体で買い取る車の台数も増えます。
それだけの車両が集まれば、本部はさまざまなことができる可能性があります。
オークションとの取引条件を改善する。
国内小売業者とのネットワークをつくる。
輸出業者との取引を増やす。
車種ごとの有利な売却先を開拓する。
全国の成約データを蓄積する。
市場変化を早く把握する。
こうしたことが実現すれば、一店舗だけで営業するよりも加盟店の「出口」は増えます。
出口が増えれば、査定の判断材料も増える。
結果として、買取価格の競争力にもつながる可能性があります。
これなら、
「加盟店が増えたことで、既存加盟店も強くなった」
と言えるでしょう。
単にオークション会場の選択肢が増えただけではなく、異なる需要につながる出口が増えているかを見ることも重要です。
もう一つ重要なのが「情報」
FCには、規模の経済だけではなく、ネットワーク効果が生まれる可能性もあります。
例えば200店舗の加盟店が、それぞれ市場で経験したことを本部へ共有するとします。
ある地域でこの車が強かった。
この集客方法の反応が落ちた。
この売却先が最近高い。
こんなトラブルが起きた。
この営業方法がうまくいった。
こうした情報を本部が集め、整理し、分析して、再び加盟店へ返す。
そうすれば、一人の加盟店が経験したことを、翌日には200店舗が学べるかもしれません。
これは一店舗ではなかなか作れない強さです。
加盟店が増えるほど情報が増える。
情報が増えるほど本部の知見が増える。
その知見が全加盟店へ還元される。
この循環ができれば、加盟店数そのものがFCの競争力になります。
逆に500店舗あっても、それぞれが個別に商売をしていて、経験や情報が共有されないのであれば、店舗数が増えたことによる恩恵は限定的です。
店舗数ではなく、店舗数を価値に変換する仕組みを見る。
ここが重要だと思います。
「加盟店〇〇店舗」は結果であって、価値ではない
だから私は、
「加盟店200店舗」
という数字を見たとき、それだけで良いFCだとは判断しません。
むしろ、その次を知りたい。
200店舗あることで、加盟店には何が提供できるようになったのか。
ここです。
50店舗だった頃にはなかったシステムができた。
販路が増えた。
データ量が増えた。
専門部署ができた。
広告単価が下がった。
採用支援が強くなった。
研修内容が高度になった。
そういう説明ができるなら、200店舗という数字に意味が出てきます。
加盟店数は、それ自体が価値なのではありません。
その規模を何に変換したのか。
そこまで見て初めて、FCの実力を判断できると思います。
FC説明会で聞いてみたい質問
私なら、説明会でこんなことを聞いてみます。
「加盟店が増えたことで、既存加盟店には具体的に何が還元されましたか?」
かなりシンプルですが、本部の考え方が出る質問だと思います。
さらに聞くなら、
「50店舗だった頃と現在では、加盟店が使えるものは何が増えましたか?」
「加盟店から集まった情報を、どのように全店舗へ共有していますか?」
「規模が大きくなったことで、取引条件は改善しましたか?」
「加盟店数の増加によって、販路は増えましたか?」
「本部の人員やシステムへの投資はどう増えましたか?」
なども聞いてみたいところです。
もし、
「知名度が上がりました」
という回答なら、
「その知名度向上によって、既存加盟店の経営にはどんな変化がありましたか?」
と、もう一段聞いてみる。
ここまで聞けば、規模が本当に加盟店の価値になっているのか、少し見えてくると思います。
FCは「規模が大きいか」ではなく「規模をどう使っているか」
加盟店が増えることは悪いことではありません。
むしろ、良いFCなら加盟店が増えることで、さらに強いFCになれる可能性があります。
だからこそ見るべきなのは、
規模そのものではなく、規模の使い方です。
加盟店が増えた。
本部の収益が増えた。
情報が増えた。
取引量が増えた。
その経営資源を再投資して、本部の機能を高める。
そして、その成果を既存加盟店へ返す。
そうなれば、
加盟店が増えるほど、既存加盟店も強くなる。
これがFCにおける理想的な規模の経済だと思います。
まとめ|「加盟店数」の次を見る
FCを選ぶとき、加盟店数は一つの判断材料になります。
でも、そこで判断を止めない。
100店舗あるなら、
100店舗だから何ができるのか。
500店舗あるなら、
500店舗になったことで、既存加盟店には何が増えたのか。
そこを見る。
加盟店数の多さではなく、
増えた加盟店を、既存加盟店の価値へ変換できているか。
私はこれも、FC選びで確認しておきたい重要な判断基準だと思います。
FC本部が大きくなっているのか。
それとも、FC全体が強くなっているのか。
似ているようで、この二つはまったく同じではありません。













コメントを残す