車を買い取るより、車を売る人が後悔しないための接点をつくりたい
車買取の仕事を長く続けるのは、思っている以上に難しい。
この仕事を始めてから、そんなことを感じるようになりました。
うちは大手ではありません。
大きな店舗もありません。
大量の広告を出しているわけでもありません。
社員が何十人もいるわけでもない。
一見すると、弱みばかりに見えるかもしれません。
でも最近は、もしかしたらこの小ささこそが、今の買取を続けてこられた理由の一つなのではないかと思っています。
買取台数を増やすことが目的ではない
事業である以上、売上は必要です。
利益も出さなければ続けることはできません。
だからといって、買取台数を最大化することだけを目標にしてしまうと、どこかで無理が生まれます。
一台でも多く買い取りたい。
今日決めてもらいたい。
他社に行く前に契約してもらいたい。
会社側から考えれば、そうなるのも理解できます。
でも、車を売る側から見ればどうでしょうか。
本当に今日売る必要があるのか。
その金額で決めていいのか。
もう少し乗ったほうがいいのか。
他社にも聞いたほうがいいのか。
そもそも今、売るべきなのか。
車を売る人には、それぞれ事情があります。
だから私は、無理に買わなくてもいいと思っています。
売らないという選択肢も伝える
その場で決断を迫らない。
最高値だけを追わない。
相場を伝えてもいい。
売らない選択を勧めてもいい。
他社と比較してもいい。
セカンドオピニオンだけでもいい。
それで買取につながらないこともあります。
でも、それでいいと思っています。
車の売却は、多くの人にとって日常的に経験するものではありません。
だからこそ、業者と一般の方との間には大きな情報差があります。
その情報差を利用して契約を取るのではなく、少しでも埋めていく。
その人自身が判断できる材料を渡す。
それも買取店の仕事ではないかと思うようになりました。
小さいから、自分で決められる
小さな会社には弱みがあります。
一方で、大きな強みもあります。
それは、自分たちで判断できることです。
「今回は売らないほうがいいと思います」
「納車まで時間があるなら、今決めなくてもいいと思います」
「この条件なら、他社にも聞いてみてください」
そんなことも、自分の判断で言えます。
目の前の一台を必ず買い取らなければならない、という考えから離れることができる。
これは、小さく事業をしているからこそできることなのかもしれません。
長く続けられる仕事にしたい
大きくすることより、長く続けること。
買取台数を増やすことより、一台一台の判断に向き合うこと。
そして、お客様だけでなく、運営する自分たち自身も無理なく続けられること。
最近は、そんなことを大切にしています。
もちろん、事業なので成長はしたい。
もっと多くの人にも知ってもらいたい。
ただ、そのために今の考え方を変えてしまったら意味がありません。
規模を追うのではなく、提供できる価値を深くする。
そのほうが、自分たちには合っていると思っています。
車を買い取ることが、最終目的ではない
車買取という仕事をしています。
でも、最近は「車を買い取ること」そのものが仕事の中心ではないようにも感じています。
相場を読む。
市場で何が起きているのかを伝える。
その車の状態を見る。
オーナーさんの事情を聞く。
選択肢を整理する。
そして、その人自身が納得して決められるようにする。
その結果として、私たちに売っていただけるなら、もちろんありがたい。
でも、別の選択をすることもある。
それでいい。
車を買い取るというより、車を売る人が後悔しないための接点をつくる。
そんな仕事を、これからも長く続けていきたいと思っています。













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