夢と覚悟の間の大きな溝
今すぐ、お金がほしい、という人は雇われたほうがいい。どんなに新しい仕事だとしても、初月から給与がもらえる。その安心感が必要という人は独立とか考えないほうがいいのかもしれない。自分の事業をやる、ということは、先に資源を投下するということだ。マンパワーもお金も時間も、先にお金を払って、休みなく働き続け、いつ、いくらお金が入ってくるかわからない。極端なことを言えば、24時間そのことを考え続けている、という感覚になることもある。
明るい希望なのか、現実逃避なのか
最初から週に2回の休みは確保して、もらうものはもらってみたいな事業ができる人は稀というものだ。しかも長期の夏休みも冬休みもほしいとか。かつてそんな人に出会ったことがある。自身は会社員はもうできない、といい、委託などの仕事をして労働を切り売りしていたけれど、それでは未来が開けないから新しい仕事を始めたい、と言ってはずなのに。その将来に明るい希望をもって新しいことをやる思いと、実際に全力で事業に打ち込む覚悟を決めることの間には大きな溝があるのだ。単なる現実逃避でしかない。
事業主になるということは、自分がすべてを決めるということ、自分がすべての責任を負うということ。文句を言っている暇はない。自分ができるだけのことを全力でやり切ることが求められるのだ。金融機関や取引先との難しい交渉や、経営計画も、スタッフの面接も、必要な届出も、備品の購入も、外注先の開拓も、そしてもちろんお客さんとの商談も。やるべきことは山のようになる。その過程で思うようにならないことの多さに凹みながらも前に進まねばと奮い立たせる。そうやって、いろんな人たちと仕事をする上でのコミュニケーションが養われる。
中途半端に夢を語ることの無意味さ
中途半端に夢を語る人の撤退は早い。こんな話聞いていなかった、景気が悪かった、人に恵まれなかった、一緒にビジネスをしていた人との相性が合わなかった、このビジネスに将来はない、などなど、言い訳のオンパレード。よくもそんなことで夢が語れるなと思う。言うのは自由だけど、本当のことを言っていない自分にも申し訳ないというものだ。たとえ現実逃避であっても、それを思い続ければ本当の原動力になる。あの世界にもう戻りたくないと思えるかどうか。最初からそんな確信などないけれど、自分が実現したい将来に向かって、不安を感じながらも一歩一歩進んでいく人のみが得られる境地があるのだ。
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