4本の電話のそれぞれ
日々、多くの電話やメッセージを受けているのだけど、昨日受けた印象的な4本をご紹介。内容はそれぞれだ。
①「仕事ありますか?」
電話を取ったらいきなりこう言われた。なんのことかさっぱりわからないので、とりあえず聞くことにする。自動車関係の仕事を探しているのだとわかる。本人は建築の現場の仕事をしているのだけど、「今仕事がないので。家族もいるし」と。話してすぐ外国人だとわかったけどコミュニケーションには問題ない。今住んでいるところからウチの事務所まで近いのだそうだ。「今の場所には知り合いがいない。グーグルで検索して電話をしている。VISAはある。車の仕事の経験はないけれど」とも。なかなか厳しそうだけど、その背景を察し、その勇気を考えると、乱暴に切るのも気が引ける。丁寧にお断りして切った。電話番号は記録したけど。
②「整備工場閉じるけど、何かいる?」
8月のとある日に査定に行ったところは整備工場だった。わりと近所だけどその存在は知らなかった。オーナーさんは80過ぎ。僕がよくお願いしている整備工場の人のことを知っていたりして、その地域の話しで盛り上がった。「もう歳だから仕事をやめようかなと思って」と言っていたけれど、その人から昨日連絡があった。「板金も塗装もやっていたけれどもうやらない。少しずつ片付けていきたいから、ほしい人がいたら紹介してくれ」と。そんな電話をうけて、知り合いの整備工場に連絡する。「工具もほしいけれど、その場所はどうなるの?」と別のところにも興味がありそう。近日中に一緒に向かうことになった。両者にとっていい結果になればいいなと思う。その人の車は買えなかったけれどどうでもいいのだ。人と人とをつなげる仕事(?)。買取から広がる世界はホントに広い。
③「事情が変わってしまいまして」
オンライン開催しているフランチャイズの説明会。一度申し込みがあり、直前にキャンセルの連絡をもらった人がいる。その後、電話でお話させていただき「近日中に連絡しますね」とのこと。昨日、連絡があり、「ちょっと状況が変わりまして検討ができなくなりました」とのことだった。検討をやめたことの連絡をもらったのは初めてかもしれない。なんと丁寧な人だなと思った。説明会に申し込んでも連絡つかない人はいるし、説明会でお会いしたのにその後なぜか着信拒否をする人もいる。「なんで一言、連絡ができないのかな」といつも思う。たいした知り合いではないから、ということかもしれないけれど、そういう人の気持ちは変わらない。仕事をする相手にもそんな程度と思ってしまう。「違う」と言い張ってもそう感じさせてしまうことがすでに大きな損失。相手がそう感じてしまったら、事実だろうと事実でなかろうと関係ないのだ。そんな人と会っているだけに、昨日の連絡はありがたかった。状況が変わっていつか一緒に仕事ができるといいなと思っている。
④「引き取りをお願いします」
先週に査定をさせてもらった人からの電話。4社にみてもらったらしいけれど、ウチを選んでいただいた。「他社が吉田さんの数字を聞きたがっていたけれど、黙っておきましたよ」と。「他社は自分から査定額は言ってくれなかったし。車をよく見てくれたり、大事にしてくれそうで、総合的によかったです」とありがたい言葉。この世界は「後出しジャンケン」が横行している。自分の査定額に2000円上乗せされて契約をもっていかれたこともある(そのオーナーさんもどうかなと思うけれど)。そんなことが当たり前の世界だから、どの業者も、他社の様子をオーナーから聞き出したがるのだ。スバリの金額を出すところは少ない。逆にお客さんも一度出た数字を他社にぶつけ、金額をつりあげ、また別の会社にもそのつりあげた金額を伝えて交渉するツワモノもいる。そんな人にぶつかるとなんか寒々しい気持ちになるし、そんな腹黒い人とは仕事はしようと思わない。だからこそ今日の電話はありがたいと思うのだ。こういう人たち出会うためにそうでない人との一定数出会わないといけないのだ。
車の仕事からお客さんと飲み会をやったり、人探ししている人に心当たりがある人紹介したり、一緒に仕事をすることが多々ある。この間はお客さんに自分の顧問税理士を紹介した。査定の最後に「まったく関係ないことなのだけど」と、切り出したとあるオーナーさん。今の税理士とうまくいっていないらしい。その場で自分の税理士の電話して、とにかく会ってもらうことに。その後話しはとんとんすすみ、後日お客さんから「引き受けてもらうことになりました」との連絡。税理士からも喜ばれて、3者がみんなハッピーになる結果となった。こんな展開は、この仕事をやる前からは想像がつかなかったことだ。自分ができることがあれば協力する、というスタンスが最終的には自分のところに戻ってくると思っている。
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