【買取物語Vol.35】平成21年 メルセデス・ベンツ E550 AVG

この車を査定したときには、わからなかったことですが、この車は相続案件でした。査定のときにオーナーさんではなく、息子さんが立ち会っていたことを、後日教えていただきました。相続案件は書類が複雑にはなりますが、何より気持ちの整理がつかないまま、いろんな処理をしなければいけなくなることが大変だなと思います。自分も経験があります。「父がなくなったのは、急だったので、いろんな準備ができていなくてすみません。忌引が終わって仕事に復帰したのですが、仕事も大変で、、」と息子さん。「いやいや、そうなりますよね、お疲れが出ませんでように」とお伝えしました。

この車を乗っていたのはお父様。査定におじゃましたときに、閑静な住宅街であること、ご自宅も立派で、このオーナーさんはどんな人なのだろうと思っていたら、後日、息子さんと書類を見ながらお話をさせていただく中で、海外在住経験のある、官僚の方ではないかと、なんとなく感じました。それを直接聞いたわけではないですが、おそらくそうなのだと思います。お母様も、そんな大変な中でも、息子さんが、ウチの事務所の近くに子供を遊ばせに行っているとか、ウチの飲食店の近くに住んでいるなどのことをお話いただき、気遣いをいただきました。「最後に写真を撮りますか?」と聞くと「私は、そういうの好きではないので、ありがとうございます」と。

主がいなくなった車は、なんとなく寂しさを感じさせます。引き取らせていただいているときに、この車で、どこへ行き、どんな思い出があるだろうか?このシートに座り、このハンドルを握っていたのだよな、とお会いしたこともない人のことに思いを馳せたりします。この仕事をしていると、たまに遭遇するのですが、遺された方のことを思うと複雑な気持ちになります。思いをはせ、滞りなく手続きを終えることが最低限の役割だと思っています。

ハッピーカーズ大田田園調布店/有限会社ソーシャルキャピタル 吉田(07054555708)

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