車売却でよくある5つの誤解
〜『予想どおりに不合理』から考える中古車市場〜
ダン・アリエリー著『予想どおりに不合理』を読んでいて、車買取の現場と重なる話があった。
それが「所有意識(エンダウメント効果)」だ。
人は自分が所有しているものに対して、本来の市場価値以上の価値を感じる。
手入れをした車、家族との思い出が詰まった車、大切に乗り続けた車。
だからこそ、多くの人が車を売るときに市場とのギャップを感じる。
そして、そのギャップからさまざまな誤解が生まれる。
今日は車売却でよくある5つの誤解について書いてみたい。
誤解① 輸出車は必ず高く売れる
最近は円安の影響もあり、輸出向け中古車の相場が高い。
C26セレナ、ハイエース、プロボックス、20系アルファード・ヴェルファイア
こうした車種は海外需要の影響を受けやすい。
そのため
「輸出向けだから高く売れる」と思われがちだ。
しかし実際には少し違う。
オークション相場そのものが、すでに輸出需要を織り込んでいる。
つまり輸出向けだからといって、どこでも高値がつくわけではない。
輸出需要が強いことと、高く買い取ってもらえることは別の話なのである。
誤解② 一括査定を使えば高く売れる
一括査定を使えば高く売れる。これも半分正解だ。
確かに競争原理が働けば価格は上がりやすい。
しかし実際には
・何十件も電話が来る
・その場で決断を迫られる
・他社の金額を利用した駆け引きが始まる
ということも少なくない。
私は高く売ることも大事だと思うが、それ以上に納得して売ることが大事だと思っている。
価格だけを追い求めると、かえって後悔することもある。
誤解③ 手入れをしていれば高く売れる
『予想どおりに不合理』の話に戻る。人は手をかけたものほど価値を高く感じる。
だから洗車を欠かさなかった車や、整備を続けてきた車には愛着がある。
もちろん手入れは評価される。ただし、市場は感情を評価しない。
市場が見るのは
・需要
・年式
・走行距離
・状態
手入れはプラス要素だが、思い入れそのものが価格になるわけではない。
ここを理解していると売却時のストレスはかなり減る。
誤解④ 相場を知れば高く売れる
相場を知ることは大切だ。
しかし相場を知るだけで高く売れるわけではない。
実際には
・売却時期
・車種ごとの需要
・輸出状況
・為替
など様々な要素が絡む。同じ車でも数ヶ月で状況が変わることは珍しくない。
相場はゴールではない。判断するための材料のひとつである。
誤解⑤ 高く売れたら成功
実はこれが一番多い誤解かもしれない。査定額が一番高かった。
それだけで成功とは限らない。
・後から減額された
・説明が不十分だった
・契約内容を理解していなかった
こうしたケースは少なくない。逆に最高額ではなくても
「納得して売れた」という人は満足度が高い。車売却は価格だけではない。
プロセスも重要なのである。
まとめ|本当に大切なのは判断基準
私は普段、「車売却の判断基準を世界一発信する買取店」を目指している。編集者時代もそうだった。
大切なのは答えを与えることではなく、判断基準を届けることだった。車売却も同じだと思う。
どこに売るか。
いつ売るか。
何を重視するか。
正解は人によって違う。
だからこそ、相場や査定額だけではなく、自分なりの判断基準を持つことが大切だ。
後悔しない車売却のために。その判断材料を、これからも発信していきたい。












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