【世界から見る中古車市場⑤】撤退は負けではない。市場を守る経営判断

ニュースでは、「中国から撤退」という言葉を目にする機会が増えました。
三菱自動車、キヤノン、ソニー、ホンダ…。
一方で、フォルクスワーゲンやBMWなどのドイツメーカーは、中国市場への依存度が高いことが報じられています。この違いを「日本が負けた」「ドイツが勝った」と捉えるだけでは、本質は見えてきません。

撤退は敗北なのか

一般的には、撤退という言葉にはネガティブな印象があります。
しかし経営の世界では、撤退も重要な意思決定の一つです。
たとえばキヤノン。中国のプリンター工場を閉鎖した一方で、
その資源を医療機器や半導体製造装置、ネットワークカメラなど、より成長が期待できる分野へ振り向けています。つまり、縮小ではなく再配分です。

「逃げ場」を持つ企業は強い

記事の中で印象的だった言葉があります。
「逃げ場のある自動車だけが生き残る」。これは自動車だけの話ではありません。
市場環境が変わったとき、
生産拠点を変えられる
供給先を変えられる
投資先を変えられる
こうした柔軟性こそが、企業の強さなのだと思います。

成功が足かせになることもある

ドイツメーカーは中国市場で大きな成功を収めました。
しかし、その成功が中国への依存を深め、環境が変わったときに身動きを取りづらくしているという見方もあります。成功は素晴らしいことです。ただ、成功した場所から動けなくなることも、経営にはあります。

中古車市場も同じ

中古車市場も、一つの国だけで成り立っているわけではありません。
日本の中古車は、
UAEを経由して中東やアフリカへ
タンザニアやケニアへ
チリやスリランカへ
さまざまな国へ輸出されています。
だからこそ、一つの国の景気だけで市場全体が決まるわけではありません。
複数の市場があることが、中古車市場の強さでもあります。

市場を見るとは、判断を見ること

ニュースは「勝った」「負けた」と伝えます。
でも、市場を見ていると、それだけでは説明できないことがたくさんあります。
攻める判断、守る判断、続ける判断、撤退する判断
その一つひとつが、市場をつくっています。
車の売却も同じです。「高いから売る」「安いから待つ」ではなく、
自分にとって最適な判断は何か。市場を見るとは、価格を見ることではありません。

市場を見るとは、判断を見ること

このブログで伝えたいのは、「撤退が正しい」ということではありません。
状況が変わったときに、目的に合わせて資源を動かせる企業は強い
そして、この考え方は企業だけではなく、私たち一人ひとりの判断にも通じます。
私は、そんな視点をこれからも「世界から見る中古車市場」というシリーズで翻訳していきたいと思います。

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