FC選びで「直営店」を確認したほうがいい理由――本部の実力を見る一つの判断基準

FCへの加盟を検討するとき、何を見ればいいのか。
加盟金。月額費用。ロイヤリティ。研修内容。売上モデル。加盟店数。
もちろん、どれも大切です。
でも、私ならもう一つ確認します。
「本部は直営店を何店舗運営していますか?」
ということです。
直営店が多ければ良いFC、少なければ悪いFCという単純な話ではありません。
業種やFCの設計によっても違います。
それでも、直営店の存在から見えてくるものは意外と多い。
私はFCを選ぶときの、一つの重要な判断材料になると思っています。

本部が加盟店を支えているのか、加盟店が本部を支えているのか

FCという仕組みでは、加盟店が本部にお金を支払います。
加盟金。月額費用。ロイヤリティ。システム利用料。
その名称や仕組みはFCによってさまざまです。

では、加盟店は何に対してお金を払っているのでしょうか。
私は、本質的には契約そのものにお金を払っているわけではないと思っています。

ノウハウ。経験。ブランド。情報。システム。販路。教育。
こうした、一店舗だけでは手に入れにくい価値の提供を受ける。

その対価として、本部にお金を支払う。
これが本来の関係ではないでしょうか。

だからFCを見るとき、私はこんな問いを持ちたいと思います。
本部が加盟店を支えているのか。

それとも、
加盟店から入ってくるお金によって、本部が支えられているのか。
その違いを見る一つの材料が、直営店です。

直営店があれば、本部自身が現場に立てる

直営店を見る一つ目の理由は、本部自身が現場で仮説検証できることです。
直営店を運営すれば、本部自身がお客様と接することになります。
集客する。営業する。人を採用する。教育する。売上をつくる。利益を残す。クレームにも対応する。
そして市場の変化にも対応する。

そこで、
「この集客方法は今も通用するのか」「この営業方法で成約できるのか」
「このサービスは本当にお客様に求められているのか」
「この仕組みで利益は残るのか」
といったことを、自分たちで検証できます。

つまり、
現場 → 仮説 → 実践 → 検証 → 改善
というサイクルを、本部自身が回せるわけです。

FCのノウハウは更新されなければ価値が下がる

ここは非常に重要だと思っています。
FCに加盟する大きな理由の一つは、ノウハウを得ることです。
でも、ノウハウは一度作れば終わりではありません。

市場は変わります。顧客も変わります。競合も変わります。
広告媒体も変わります。テクノロジーも変わります。

数年前に成功した方法が、今もそのまま通用するとは限りません。

だから本部には、
ノウハウを持っていること以上に、ノウハウを更新し続ける力
が必要だと思います。

そのための実験場として、直営店は大きな意味を持ちます。

直営店で試す。失敗する。改善する。もう一度試す。
そこで得た最新の知見を加盟店へ還元する。
私は、この循環こそFC本部が提供できる大きな価値の一つだと思っています。

直営店は「本部の研究開発部門」と考えるとわかりやすい

少し言い換えるなら、
直営店は、本部にとっての研究開発部門
と考えることもできます。
新しい集客方法を試す。
新しい商品を試す。
新しいシステムを導入する。
新しい営業方法を試す。
そして結果を検証する。

加盟店に、
「これをやってください」
と言う前に、
「本部でやってみたら、こういう結果になりました」
と言える。

この違いは大きいと思います。
加盟店を実験台にするのではなく、本部自身がリスクを取って試す。
その結果を加盟店へ提供する。
それなら、加盟店側も本部に価値を感じやすくなります。

もう一つ見るべきなのが「経営体力」

直営店を見る理由は、現場力だけではありません。
もう一つあります。
本部の経営体力を見る材料になることです。
直営店を出すには、お金がかかります。

店舗。人材。設備。広告。システム。運転資金。

出店したら終わりではありません。
継続的に運営しなければなりません。

つまり複数の直営店を運営しているという事実は、本部自身が事業に資金を投入し、運営できているかを見る一つの材料になります。

もちろん、
「直営店が少ない=お金がない」
とは言えません。

あえて直営店を増やさず、FC展開に経営資源を集中する戦略もあります。
財務状況は、直営店の数だけでは判断できません。
だから、これはあくまで「確認するきっかけ」です。

私なら、
「本部自身の事業で利益を生み、次の成長へ再投資できているのか」
という視点を持ちます。

加盟店から入ったお金は、何に変わって戻ってくるのか

さらに確認したいことがあります。
加盟店から本部に入ったお金が、何に使われているのか。
これはかなり重要だと思います。
新しいシステムになる。研修が充実する。
人材が増える。広告が強くなる。
データが蓄積される。新しい販路ができる。
直営店で新しいノウハウが開発される。
こうして本部への支払いが新しい価値へ変わり、加盟店へ戻ってくる。
この循環があれば、
加盟している期間が長くなるほど、加盟する価値も増えていく
ことになります。

反対に、毎月お金を払っているのに提供される価値がほとんど変わらないのであれば、
「この費用は何の対価なのだろう」
と考える必要があります。
契約が続いていることと、価値提供が続いていることは同じではありません。

FC説明会で聞いてみたいこと

だから、もし今の私がFC加盟を検討するなら、直営店についてこんなことを聞きます。

  • 直営店は何店舗ありますか?
  • 何年くらい運営していますか?
  • 直営店は現在も利益が出ていますか?
  • 直営店では最近どんな新しい取り組みを試しましたか?
  • そこで得たノウハウを加盟店へどう共有していますか?
  • 失敗した施策も加盟店へ共有していますか?
  • 今後、直営店への投資計画はありますか?
  • 本部では毎年どんなことに再投資していますか?
  • 加盟店から得た収益は、どんな形で加盟店への価値に変わっていますか?

単に、
「直営店は何店舗ですか?」
と聞くだけではありません。

その直営店が、本部と加盟店にどんな価値を生み出しているのか。
そこまで確認したいところです。

見たいのは「直営店の数」ではなく、本部の循環

結局、私が見たいのは店舗数ではありません。
大きく三つです。

① 本部自身が現場で仮説検証しているか
② そこで得たノウハウを加盟店へ還元しているか
③ 本部自身が利益を生み、次の価値へ再投資できているか

この循環が回っているかどうかです。
直営店は、それを確認するための一つの材料です。

まとめ|加盟店数だけでなく「本部自身の商売」を見る

FCを検討すると、どうしても加盟店数や成功事例に目が向きます。
でも、私は本部自身も見たほうがいいと思っています。

本部自身が現場で商売をしているか。
市場の変化を体感しているか。
自分たちで仮説検証しているか。
ノウハウを更新しているか。
利益を生み、次の成長へ投資しているか。

そして、その成果を加盟店へ還元しているか。

FC本部が加盟店を支えているのか。
加盟店がFC本部を支えているのか。
外から完全に見極めることは難しいと思います。
だからこそ、一つひとつ判断材料を集める。
直営店の存在は、そのための一つの判断基準になる。

私はそう考えています。
FC選びに絶対の正解はありません。
だから「このFCがいい」と誰かに決めてもらうのではなく、自分自身が判断できる材料を持つ。
それが、加盟したあとに後悔しないために大切なことだと思います。

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