撤退できない人が経営を壊す理由

事業を始めることは、難しい。そう思われがちですが、実際の経営では、もう一つ難しいことがあります。それは撤退することです。

多くの経営者は、始める決断はできます。しかし、やめる決断はなかなかできません。ですが、経営の現場を見ていると撤退できないことが原因で事業全体が弱くなるケースをよく見ます。

理由はシンプルです。資源を動かせなくなるからです。

経営は資源の配分

経営は努力量ではなく、資源の配分で決まります。

資源とは以下の3つです。
• 時間
• 資金
• 人

どこに資源を置くか。そして、どこから資源を引くか。この判断の積み重ねが経営の結果をつくります。新しい事業を始めることは資源を置くという判断です。一方で撤退は資源を引くという判断です。この二つは、本来セットで考えるべきものです。

判断を鈍らせるもの

では、なぜ撤退が難しいのでしょうか。多くの場合、理由はこれです。過去の努力です。

ここまでお金を使った。
ここまで時間をかけた。
ここまで人を動かした。

そう思うと、簡単にやめる決断ができなくなります。「もう少し続ければうまくいくかもしれない」。そうして資源が固定されていきます。しかし経営にとって最も危険なのは資源が動かなくなることです。

撤退は敗北ではない

撤退という言葉にはどうしても「失敗」というイメージがあります。ですが、実際にはそうではありません。撤退は資源の再配分です。うまくいかない場所から資源を引き、可能性のある場所に資源を置き直す。これが経営です。

経営は意志ではなく設計

事業を続けるかどうかは意志の強さの問題ではありません。大事なのは設計です。資源をどこに置くのか。そして、どこから引くのか。この設計がある経営は強い。撤退は敗北ではありません。次の判断をするための余白です。

まとめ

撤退できない人が経営を壊すことがあります。それは弱いからではありません。資源を動かせなくなるからです。経営は積み上げではありません。資源を動かし続けること。つまり設計なのです。

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