アフリカは年式が緩い、ではない。|アフリカ東・南部の輸入規制と査定の見方(2026年)

アフリカは年式が緩い。
車を売る話になると、よくこう言われます。 でも、現場を見ていると、この一言で終わるのは危ないです。

中古車の値段は「アフリカ需要があるから高い」では決まりません。 どの国が、その車を入れるか。 入れるなら、税がどれだけ乗るか。 ここで、日本の査定額まで変わります。

今回は、日本の右ハンドルが生きる東・南部アフリカに絞って整理します。 ハイエース、ランクル、ハイラックス、プロボックスが集まる一帯です。

結論

同じアフリカでも、規制の型が違います。

  • ケニアは止める
  • タンザニアは止めず、古さで税を上げる
  • ザンビアは禁止しない。新しい車ほど税の型が変わる
  • ウガンダは比較的残る
  • ジンバブエは10年超を止めにかかっている
  • 南アの中古商業輸入は、ほぼ閉じる
    査定額は「アフリカ」ではなく、この地図です。

実際にあった話

自分が売ったランクル250が、いまザンビアのルサカにあります。 経由はタンザニア。地図を開くと、近くに Tokyo Way と出ていました。
タンザニアから入った、と聞くと不思議に思うかもしれません。 でもこれは例外ルートではありません。
日本の商用車やSUVは、海路でダルエスサラームに揚がり、ナコンデ国境からザンビアへ陸送されることがよくあります。 タンザニアは通過点。ザンビアが着地です。
「アフリカへ行った」だけでは行き先として不十分です。 どの港に揚がり、どの国境を越え、どの国のルールに合うか。 そこまで見て、初めて金額の根拠になります。

2026年の目安(東・南部)

正確な情報は現地当局で再確認してください。規制は動きます。

規制の型2026年の目安
ケニア禁止8年。2026年は初度登録2019年以降
タンザニア加算税8年超18%/10年超35%/20年超40%(製造年)
ウガンダ上限あり製造15年以内が目安
ザンビア禁止なし2年未満/2–5年/5年超で税の計算が変わる
ジンバブエ禁止製造10年超の輸入禁止を強化
モザンビーク比較的緩い検査と税が本丸
南アフリカほぼ閉鎖中古の商業輸入は原則ほぼ閉じる

数字の細かい運用は国によって違います。 大事なのは「何年以内」より、止めるのか、税で高くするのか、止めないのかです。
三国だけでも、これだけ違うのです。たとえば、平成24年のハイエース。各国の受け入れ制度が大きく変わります。

ケニアは門前払い

8年規制が厳しく、2026年到着分は初度登録2019年以降が基本です。 右ハンドル。製造年と初度登録の差も見られます。 オーバーエイジはモンバサで拒否され、費用は輸入者負担になりやすい。
平成24年式のハイエースは、ここに原則乗りません。

タンザニアは禁止ではなく税

2026年7月から、製造年ベースの年齢加算が整理されています。 8年以内は当該加算なし。 8年超〜10年は18%。 10年超〜20年は35%。 20年超は40%。
平成24年式は約14年落ちなので、「入れない車」ではなく「税が高い車」です。 同じ東アフリカでも、ケニアとここが違います。
ザンビアは止めない
年齢禁止はありません。 製造年で税の計算が変わり、2年未満、2〜5年、5年超で型が分かれます。 新しい車は入れる代わりに、税が高くなりやすい。 古い車も、禁止では落ちません。
ランクル250のような新しい車がルサカにいるのは、規制回避ではなく、悪路と都市を往復する需要があるからです。

売り手として、どう見るか

新しいランクルやハイエース → ケニア、タンザニアの標準税率帯に乗りやすい。ザンビアは入れるが税は重い側。
10年落ち前後 → ケニア不可。タンザニアは税が乗る。ウガンダとザンビアは残る。
15年落ち、過走行、修復歴 → 禁止国には乗らない。開放国か、再輸出、部品取りへ流れる。
右ハンドル → 東・南部向き。西アフリカは左ハンドルが基本で、日本車の土俵が違います。
だから「アフリカ需要があります」だけでは、査定の根拠になりません。 聞くべきなのは、この車はどの販路で必要とされているか、です。

よくある勘違い

「古い車でもアフリカなら売れる」 → 国による。ケニアでは年式で終わります。
「輸出があるから高い」 → 正確には、輸出できる価格から逆算された金額です。行き先がなければ、国内需要だけの価格になります。
「同じハイエースならどこも同じ」 → モンバサ向けと、ダル経由ザンビア向けでは値が分かれます。

判断基準

金額の前に、これを確認できるかどうか。

  1. この車は、止める国に乗るか
  2. 乗るとしたら、税がどれだけ乗るか
  3. 乗らないなら、次の販路はどこか(別の国、部品、国内)
  4. その根拠を、業者は説明できるか
    説明できない査定は、金額だけ先に出していることが多いです。
    規制は変わります。 この記事は2026年9月時点の整理です。 最終判断は、車種・年式・仕様と、その時点の現地ルールで見てください。
    同じ車でも、売り時と行き先の見方で結果は変わります。 今の状態だけでも判断はできます。
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