編集者気質

会社員時代は編集者として長年勤務してきたのですが、会社をやめてみると「会社の看板の大きさ」を痛感し、編集の仕事を離れてみると「編集者の難しい気質」に気づくことになりました。前者は会社をやめて独立した多くの人が感じることだと思いますが、編集者はさらに自分の事業を展開しにくい気質があると思うのです。それはなにか。「プライド」です。ネガティブな意味で使っています。

本を書いてもらう人を探したり、本をかいてもらうための企画をたてるのが編集者の仕事ですが、本を書く人は少数派だし、多くの読者をひきつけるには、その著者の知名度も認知度も求められます。いわゆる有名人や著名人とおつきあいさせていただくことが多くなります。そういう人たちと付き合っていると、自分も同じ立ち位置になっているかのような「錯覚」に陥るのです。自分も著者の世界を知り尽くした気になってしまいます。それは本をつくるときには大事なことですが、自分の事業をするときには大きなハードルになっていると感じるのです。これを実感したのは、編集の仕事から離れたときでした。「プライドを捨てる」ことの意味とか大事さを理解していなかった気がします。

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