土下座をする営業担当者って…

アルファードの買取案件。オーナーさんが、大手買取店との商談の中で、「担当者が土下座して、私にもチャンスをください」と言ってきたので、譲ってしまった、と言ってきた。前日には、ブラックなところなので、金額が多少高くても、売ることはない、と言っていただけにちょっとびっくり。ただ目の前でそこまでされたら売らずに帰るわけにはいかないというところだろうか。

一瞬のおつきあいだからできること?!

ただ、思うのは、そのお客さんに土下座しているのは、自身のため、ノルマのため、会社のため、ということだ。これからの長いおつきあいをさせてもらうためでは決してない。その営業マンだって、いつまでその店舗にいるかわからないし、退職してしまうかもしれないし、会社だってどうなるかわからない情勢だし。目の前の1台を買い取ることに必死なのだ。口からでまかせ的なヨイショと、売らずには帰らせない圧が混沌とする異様な雰囲気。ただそんな態度を取られて、お客様気分にさせられたら、オーナーさんだって悪い気持ちはしない。前日に思っていた疑念など吹き飛んでしまうのだ。

同じようなことを建築業界の人からも聞いたことがある。設計や施工、設備、利回りなどの説明よりも、印象に残るのは、お客さん扱いされた経験、だと言っていた。気分よくさせる、お金のためなら、というのは、営業マンだったら誰もが考えること。それをどこまでやるかが、営業マンの資質だ。もっと言えば、会社の体質とも言える。たいがい大手のハウスメーカーは、施工主を、ビジネスパートナーとしてではなく、お客さんとして接する。契約にこぎつけたら、その営業マンはいなくなる。その人に話した、物件への思いとか、意向などはリセットされる。施工に必要な無機質なデータだけが現場担当に引き継がれる、と言ったらいいすぎだろうか。

売り手も買い手もイコールな存在

仕事なので、利益を上げるのは当然のこと。ただ、それは土下座までしてすることなのだろうか。プライドはあるのか。クルマの買取業者が、そこまでするということはこの1台でよっぽど儲けられるのね、と自分だったら思ってしまう。買い手も売り手も本来はイコールパートナーであるべき。お客様は神様だからといって誰彼構わずひれ伏す、というのは間違っている。自分だったらそんなことは絶対にしない。今後の関係がいびつになるからだ。長いおつきあいを、と相手に自然と思わせるところが本当の営業マンの力量なのだと思う。

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