個人売買の600万円と、買取店の570万円。何を比べて選ぶのか

先日、3年ぶりに声をかけてくださったお客様の査定に伺いました。
お車は高級国産SUV。走行距離は約4万kmで、装備も充実しています。
当初のご希望は650万円でした。
その後、お客様ご自身でも売却方法を調べ、こんなお話をしてくださいました。
「個人売買では、3万kmの車が610万円で成約していました。自分の車に近い3.9万kmの車は598万円で出品されています。650万円は難しくても、600万円弱なら高すぎないと思うのですが」
ご自身で調べ、比較して考える。その姿勢は、とても大切だと思います。
ただ、ここでは金額と一緒に確認しておきたいことがあります。

掲載価格と成約価格を分ける

まず、598万円で出品されていることと、598万円で売れたことは別です。
掲載価格は、売り手が希望する金額です。その価格で買いたい人が現れれば成立しますが、いつ売れるか、最終的にいくらになるかは、掲載されている段階では分かりません。
一方、610万円の成約事例は、実際に取引が成立したという点で参考になります。
ただし、年式や距離だけでなく、色、装備、状態、売れた時期も確認したいところです。さらに、表示されている金額と売り手の手取りが同じかどうかも、手数料などの条件によって変わります。
数字を比べる前に、その数字が何を表しているのかをそろえる必要があります。

今回、私が考えた買取上限は570万円

今回確認したオークションの成約データでは、近い条件の車は540万〜560万円台に多く集まっていました。
一部には、それを大きく上回る成約もありました。ただ、高い事例が1台あったからといって、同じように売れるとは限りません。装備や状態など、その車特有の条件を確認する必要があります。
また、オークションの表示額と、お客様にお伝えする税込の買取額も、そのまま比較はできません。税の扱いをそろえ、売却にかかる費用や利益、想定どおりに売れなかった場合も含めて計算します。
そのうえで、今回私が考えた買取上限は、税込570万円でした。
これはこの車について、当時のデータと条件から考えた金額です。

売れるのを待つ方法と、先に金額を決める方法

個人売買では、希望する価格で買ってくれる人を待つことができます。
うまく買い手が見つかれば、買取より手取りが多くなる可能性があります。一方で、売却時期が読めないことや、売れるまでに相場が変わる可能性も考える必要があります。
仲介サービスを使う場合、運営会社は通常の買取店のように車を先に買い取り、在庫として抱える仕組みとは異なります。その違いも、価格に関係します。
買取では、契約で金額と条件を決め、買取店が引き取った後の再販価格の変動を引き受けます。
お客様にとっては、受け取る金額と引き渡しの予定を決めやすいことが価値になります。
つまり、600万円を目指して買い手を待つ方法と、570万円で売却を決める方法では、金額以外の条件も違うのです。

600万円を目指す選択もあっていい

今回のお客様は、600万円を目指して個人売買も視野に入れているとのことでした。
売却まで待てるのであれば、それも一つの選択です。
その際は、手数料を引いた手取りはいくらか、いつまで待てるか、売れなかったときはどうするか。この3つを整理しておくと判断しやすくなります。
私がお伝えしたいのは、買取店の提示額だけが正解ということではありません。
なぜその査定額になるのか。ほかの売り方では、どんな可能性があり、何を自分で引き受けるのか。
そこまで分かったうえで、自分に合う方法を選んでいただきたいと思っています。
査定額を出すことに加えて、その根拠を伝える。
今回も、その大切さを感じたご相談でした。

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