人気車種なのに売れない?ルーミー三兄弟のオークションで感じた違和感
先日のオークションの結果を見ていて、気になる車種がありました。
トヨタ・ルーミーです。
ダイハツ・トール、スバル・ジャスティを含めた、いわゆる三兄弟。
コンパクトなボディに広い室内空間。スライドドアを備え、日常の使い勝手もよい人気車種です。
ところが、この日のオークションでは、どうも買いが弱い。
高年式車の売り切りが悪く、ある程度走行した中古車でも、驚くほど低い金額で応札が止まる個体がありました。
何が起きているのでしょうか。
今回は、実際のオークション結果をもとに考えてみます。
高年式車でも流札が目立つ
まず気になったのが、高年式車です。
例えば、令和8年式のルーミー・カスタムG-T。
走行距離は表示上0千km。評価点はS。
ほぼ新車に近い状態の車両です。
この車両には応札はありましたが、結果は流札でした。
同じような高年式のカスタムG-Tでも流札が見られました。
ここで考えたいのは、買い手にとってのメリットです。
ルーミーは、現在でもディーラーで新車を購入できる車種です。
新車の納期が極端に長く、どうしても中古車市場で手に入れなければならないという状況ではありません。
そうなると、未使用車に近い個体でも、新車価格や値引き、保証などと比較されます。
新車に近いから高く売れるとは限らないのです。
もちろん、流札だから需要がないというわけではありません。
応札がある以上、買いたい人はいます。
ただ、売り手が希望する価格と、買い手が評価する価格にズレが生じている可能性があります。
走行した中古車への買いも弱い
もう一つ気になったのが、ある程度走行した中古車です。
高年式の未使用車に近い個体が流札になるのは、価格設定の問題として理解できる部分があります。
しかし、今回は通常の中古車でも応札の弱さを感じました。
年式が新しく、走行距離が少ない方が必ず高く売れるわけではありません。
もちろん、評価点や車両状態、装備などが違うため、単純比較はできません。
それでも、こうした数字を見ると、年式と走行距離だけで相場を判断することの難しさを感じます。
今回、私が特に気になったのは、応札が思った以上に低いところで止まる個体があったことです。
買い手が慎重になっているのでしょうか。
それとも、小売市場での販売価格や在庫状況に変化が起きているのでしょうか。
今のところ、原因を一つに絞ることはできません。
新車が売れていることと、中古車が高く売れることは違う
ここで改めて考えたいことがあります。
新車販売が好調な車種なら、中古車価格も高くなるのでしょうか。
必ずしもそうとは限りません。
新車の供給が十分であれば、中古車を選ぶ理由は価格や納期などに限られてきます。
一方、中古車市場では、販売店の在庫状況や仕入れ価格、消費者の予算などが買い手の判断に影響します。
新車の人気と、中古車オークションでの評価は、必ずしも一致しないのです。
だからこそ、私は新車販売台数と中古車オークションの結果を、両方見ていく必要があると考えています。
流札にも理由がある
オークションでは、車が売れなかったことを「流札」といいます。
しかし、流札の理由は一つではありません。
買い手がいないのか。
買い手はいるけれど、売り手の希望価格に届かないのか。
車両状態に問題があるのか。
それとも、販売店が仕入れに慎重になっているのか。
同じ流札でも、その意味はまったく違います。
今回のルーミー三兄弟では、高年式車と走行した中古車で、買いが弱い理由が異なる可能性もあります。
ここを見極めることが大切だと思います。
冠水車も散見された
ちなみに、この日のオークションでは、ルーミー三兄弟に限らず、複数の車種で冠水車も見られました。
これも気になった点の一つです。
ただし、今回の観察だけで冠水車が増えていると判断することはできません。
出品台数や過去の傾向と比較する必要があります。
こうした小さな変化も、今後の市場観察の対象にしていきたいと思います。
車を売るときに必要なのは、相場の数字だけではない
今回のルーミー三兄弟の結果を見て、改めて感じたことがあります。
人気車種だから高く売れる。
年式が新しいから高く売れる。
走行距離が少ないから高く売れる。
もちろん、こうした要素は査定価格に影響します。
しかし、それだけで価格が決まるわけではありません。
大切なのは、今、その車を誰が、何のために、いくらで買おうとしているのか。
そして、売り手と買い手の間にどのようなズレが生じているのか。
相場は数字ですが、その数字の背後には買い手の判断があります。
私は、こうした市場の動きを観察しながら、お客様が車を売るときの判断基準を届けていきたいと思っています。
今回のルーミー三兄弟についても、引き続きオークションで追いかけていきます。













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