判断基準があるから、うまくいかなかったときに後悔しない

「後悔しない車の売り方」を発信するようになって、自分自身に思わぬ変化が起きています。
車を売る人に判断基準を届けようとしていたはずなのに、いつの間にか、自分自身の判断基準まで磨かれていることに気づきました。
何をやるのか。
何をやらないのか。
誰と付き合うのか。
誰から離れるのか。
事業をしていると、毎日のように判断を迫られます。
しかも、その判断が正しかったのかどうかは、すぐには分かりません。
むしろ、正解が分からないまま決めなければならないことの方が多い。
そんな中で最近、強く感じることがあります。
判断基準があるから、うまくいくわけではない。判断基準があるから、うまくいかなかったときに後悔しない。
今日は、このことについて書いてみます。

判断基準があっても、結果はコントロールできない

車の売却を考えてみても同じです。
今日売った車の相場が、来月さらに上がるかもしれない。
反対に、「もう少し待とう」と決めた翌月に相場が大きく下がるかもしれない。
一番高い査定額を出した会社に売ったら、その後トラブルになることもある。
最高値ではない会社を選んだけれど、最後まで安心して取引できることもある。
未来のことは誰にも分かりません。
だから、私が「後悔しない車の売り方」で伝えたいのは、未来を当てる方法ではありません。
相場を予想して、最高値で売却する方法でもない。
分からない未来に対して、自分は何を基準に決めるのか。
そこを整理することです。

「正解」と「納得」は違う

意思決定というと、多くの人は「正解を選ぶこと」を考えます。
AとBがあったら、どちらが得なのか。
今売るのか、半年後に売るのか。
この会社なのか、あの会社なのか。
もちろん比較は必要です。
でも、実際には正解が存在しない判断もたくさんあります。
あとになって結果だけを見れば、「あっちを選べばよかった」と言うことはいくらでもできます。
しかし、それは結果を知ったあとの話です。
判断した時点では、その未来は分かりません。
だから私は最近、意思決定で大切なのは「正解したか」だけではなく、
その時点で持っていた情報と、自分の判断基準をもとに納得して決められたか
なのではないかと思っています。

車売却でも、最初に聞くのは「何を大切にするか」

車の査定でも、金額だけでは判断できません。
最高値を最優先したい人もいます。
できるだけ早く手放したい人もいます。
次の車の納車まで乗っていたい人もいます。
知らない業者と何社も交渉するくらいなら、安心できる相手に任せたいという人もいます。
どれが正しい、という話ではありません。
その人が何を大切にしているのかによって、選択肢は変わります。
だから査定額を知る前に、自分が何を優先したいのかを整理しておくことには意味があります。
価格なのか。
時間なのか。
安心なのか。
手間なのか。
売却時期なのか。
これが判断基準です。
判断基準がなければ、10万円高い金額が出ればそちらへ行き、さらに5万円高い金額を聞けばまた迷う。
相場が上がったと聞けば待ち、下がると聞けば焦る。
情報が増えるほど決められなくなることさえあります。
相場は大切です。
でも、相場は答えではなく、判断するための材料です。

これは経営も同じだった

そんなことを車売却について考え続けていたら、自分自身の経営にも同じ構造があることに気づきました。
新しい事業をやるのか。
やらないのか。
広告にお金を使うのか。
自分たちでメディアを育てるのか。
仕事を引き受けるのか。
断るのか。
誰と仕事をするのか。
誰とは距離を置くのか。
どれも、未来の結果は分かりません。
正しいと思って始めたことが失敗することもあります。
期待していた成果が出ないこともあります。
逆に、それほど期待していなかったことが大きな成果につながることもある。
経営なんて、その繰り返しです。
だからこそ、自分なりの判断基準が必要になります。

「やること」より「やらないこと」が明確になった

判断基準を意識するようになって、一番変わったのは、何をやるかだけではありません。
何をやらないかが以前より明確になりました。
目の前に仕事があれば、全部やった方が売上になるかもしれない。
人から誘われれば、付き合った方が何かにつながるかもしれない。
新しいサービスがあれば、試した方がいいかもしれない。
でも時間も資金も有限です。
何かを選ぶということは、何かを捨てることでもあります。
判断基準がなければ、目の前の魅力的な話にその都度引っ張られます。
逆に基準があれば、
「これは自分たちがやることではない」
と言える。
人間関係も同じです。
誰と付き合うのか。
誰から離れるのか。
これも好き嫌いだけではなく、自分がどんな仕事をしたいのか、どんな会社をつくりたいのかという判断基準とつながっています。

うまくいかなかった経験も「失敗」だけではなくなる

もちろん、判断基準を持ったからといって、すべてうまくいくわけではありません。
むしろ私は、そこが重要だと思っています。
自分で考え、自分なりの根拠を持って決めた。
それでも結果が出なかった。
ならば、次に考えることができます。
判断基準が間違っていたのか。
情報が足りなかったのか。
実行が足りなかったのか。
それとも、単純に予測できないことが起きたのか。
こうして検証すれば、今回の経験を次の判断に使えます。
一方で、自分の基準を持たず、誰かに言われたから決めたことが失敗すると、「あの人の言うことを聞かなければよかった」という後悔だけが残りやすい。
判断基準を持つことは、結果を保証することではなく、結果から学べる状態をつくることでもある。
最近はそう考えるようになりました。

後悔しないとは、失敗しないことではない

「後悔しない車の売り方」という名前で発信しています。
でも、後悔しないというのは、必ず最高値で売れることでも、すべての判断に成功することでもありません。
未来を完全に予測することなどできないからです。
後悔しないとは、
自分なりの判断基準を持ち、その時点で考えられることを考えて、自分で決めること。
そして結果が思い通りにならなかったら、そこから学んで判断基準を更新すること。
それを繰り返していくことなのだと思います。
車を売る人のために判断基準を発信し始めました。
ところが、考えれば考えるほど、自分自身の仕事や経営、人との付き合い方まで整理されるようになった。
これは完全に思わぬ副産物でした。
でも、今ではむしろ「後悔しない車の売り方」という活動の本質に近い気もしています。
判断基準があるから、うまくいくわけではない。
判断基準があるから、うまくいかなかったときにも、次へ進める。
車の売却について考え続けながら、これからも自分自身の判断基準も磨いていきたいと思います。

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