買取業者がみる：資産の作り方

2024/01/28。車でお会いするお客さんの対応は極端なことを言えば、社会の縮図を見ているような気がする。売却金額ばかり気にする人もいれば、そんなことに関わっている時間はないとばかりに、即決する人、断っても交渉し続ける人、買取業者の人間性を見て決める人などなど。金額だけでは決めない人は、ほかで得しているのだろうなと思うし、買取金額の差よりも大事な価値観があることがわかる。業者にとって楽に付き合える、ラッキーな人とか、そういう話ではなく、そういうふうに自分のなりたいなと強く思うのだ。

お金はもっともわかりやすい資産であり、無形資産に目を向けることは難しい。だからこそ皆お金が大事だと思うのだけど、ある一定以上の人たちは目に見えない資産を大事にしている気がする。もっとも大事な資産は時間なのだ。先日お会いした人は自身が乗っていた車が故障してその修理見積もりが60万円だと。直すか、買い替えるかを迫られたけど、とりあえず直して乗ることにするとのことだった。もちろんもっと安く直してくれるところを探すこともできるけれど、曰く「今年は事業が大きくなりそうな気がするの。今は、その仕事で忙しいので、とりあえず直してもらって、年末にいい車が買えたらいいな。60万は高くない」。

事業をしているから、そういう考えになると思いたくなるけれど、それは間違っている。そういう考えがあるから事業が成功するのだ。こういう人もいるし、買取金額を千円単位で交渉する人もいる。まさに縮図だ。お客様の対応の中で、真似をしたいことも、真似したくないことにも直面することになる。人の欲、自分の欲にも触れる仕事だなと思う。