お盆休みが終わる。明日から中古車相場の「答え合わせ」が始まります

今日でお盆休みも一区切り。
明日から仕事という方も多いのではないでしょうか。
中古車業界にとっても、明日から市場が本格的に動き始めます。
私は今回の休み明けを、いつも以上に楽しみにしています。

なぜなら、
休み前に立てた相場の見立てが、実際の市場でどう評価されるのか。
その「答え合わせ」が始まるからです。

休み前に何が起きていたのか

今回のお盆休み前、中古車市場を取り巻く環境には大きな変化がありました。
一つは為替です。
7月末まで、ドル円は1ドル164円近辺まで円安が進んでいました。
円安は中古車輸出にとって基本的には追い風です。
海外のバイヤーから見れば、同じドル予算でも日本のオークションでより高い金額まで買えるからです。
ところが7月30日、日米による協調介入が行われ、円相場は157円台まで急速に円高方向へ動きました。
つまり、輸出業者からすると、
休み前のわずかな期間で、仕入れの前提となる為替が大きく変わった
ことになります。

そして、そのまま市場が休みに入った

ここが今回の面白いところです。
為替が大きく変わった直後に、お盆休みが来ました。
中古車オークションも休催が増え、市場の価格形成が一時止まります。

つまり、
為替は変わった。
でも、
その為替を十分に織り込んだ中古車相場は、まだ形成されていない。
私はそんな状態だと見ています。
だからこそ、明日以降の市場が重要です。

見たいのは「いくらで売れたか」だけではない

休み明けのオークションで、もちろん落札価格は確認します。
ただ、私がもっと見たい数字があります。
それが、
成約率です。
7月のUSS全体では、平均成約単価は前年を上回る高い水準を維持していました。
一方で、成約率は前年より低下しています。
USS東京でも、7月9日に64.8%だった成約率が、休み前の8月6日には61.9%まで下がっていました。
ここに市場の変化が出ている可能性があります。
高く売れた車は目立ちます。
でも、市場が変化するとき、最初に起きるのは必ずしも「最高値が下がること」ではありません。
今まで売れていた車が、売れなくなる。
つまり、買い手が選別を始めます。
だから私は、高値事例だけでなく、成約率や流札した車も見ています。

明日から確認したい5つのこと

休み明け、特に注目しているのは次の5つです。
1つ目は、成約率
休み前から続いていた低下傾向が止まるのか。それともさらに下がるのか。
2つ目は、輸出向け車の応札
円高によって、輸出業者が買付上限をどこまで修正するのか。
3つ目は、高額SUVの価格
為替の影響額が大きい車ほど、変化が出やすい可能性があります。
4つ目は、流札車の再出品
休み前に売れなかった車が、価格を下げて再出品されるのか。それとも同じ価格でも買い手が戻ってくるのか。
そして5つ目が、仕向国による強弱です。
ここが今、一番面白いところかもしれません。

「輸出車」で一括りにできなくなっている

日本から輸出される中古車の流れは、かなり変わっています。
ロシア向けは強い。
タンザニアを中心とする東アフリカも強い。
一方、UAE向けは大きく減っています。
ただし、UAEで日本車が売れなくなった、と単純に考えてはいけません。
現在もホルムズ海峡を巡る緊張は続いています。
船が安全に通れるのか。
戦争保険はいくらになるのか。
船賃はいくらになるのか。
何日で現地まで届けられるのか。
輸出業者にとっては、車両価格だけでなく、こうしたすべてが仕入れ判断になります。

つまり、
買いたい人がいることと、高く買えることは同じではありません。
ここは中古車輸出を理解するうえで、とても大切なところです。

円高になったら、本当に相場は下がるのか

私はここにも注目しています。
普通に考えれば、
円高になる。

輸出業者の円換算予算が下がる。

オークションでの応札上限が下がる。

中古車相場も下がる。

という流れになります。
でも、市場はそれほど単純ではありません。
もしロシアや東アフリカの需要がそれ以上に強ければ、相場は下がらないかもしれない。
国内需要が強ければ、輸出業者が買わなくても別の買い手が買うかもしれない。
そもそも良質車の供給が少なければ、買い手同士の競争が続く可能性もあります。

だから、
予想と違う結果が出たときこそ面白い。
「円高になったのに、なぜ相場が下がらなかったのか。」
そこを考えることで、次の市場が見えてきます。

査定は、直近の落札価格を調べるだけの仕事ではない

査定というと、
同じ車種。同じ年式。同じ走行距離。
その直近の落札事例を調べて、金額を出す仕事だと思われるかもしれません。
もちろん、それは基本です。
でも私は、それだけでは足りないと思っています。
為替。輸出需要。船賃。保険料。物流。
地政学。成約率。応札者。流札。再出品。

こうした情報を見ながら、
市場がどちらへ向かっているのか
を考える必要があります。
直近の落札価格は、言ってみれば「過去」です。
私たち買取店が今日車を買えば、その車を売るのは未来です。
だから、過去の数字だけではなく、未来へ向かう流れを見る必要があります。

明日から市場を観察します

今回、休み前に考えた流れは、

円安

為替介入

円高

輸出採算の変化

お盆休み

休み明けの応札

でした。

明日から、この最後の部分が始まります。
予想どおり輸出向け車が弱くなるのか。
それとも海外需要の強さが円高を打ち消すのか。
成約率は戻るのか。
流札車は増えるのか。
ロシア、東アフリカ、中東で違いが出るのか。
一つずつ見ていきたいと思います。
そして、その結果をまたこのブログで書きたいと思っています。

今日の判断基準

中古車相場を見るとき、大切なのは、
「直近でいくらだったか」だけではありません。
その価格が、
なぜついたのか。
何によって支えられているのか。
そして、その条件が今も続いているのか。
そこまで見ることが大切です。
相場は「点」ではなく「流れ」で見る。
明日から、その流れがどう変わるのか。
非常に楽しみです。

査定とは、昨日の相場を当てはめる仕事ではなく、明日の買い手がいくらまで出せるのかを考えながら、今日の価格を決める仕事です。

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